2代でつなぐ、飛鳥の古今東西

親⼦2代で客船・飛鳥を追い続けるVOLVOXの写真家、中村庸夫⽒・武弘⽒。
「初代・⾶⿃」、そして「⾶⿃Ⅱ」の雄姿と撮影時のエピソードを届けよう。
【2代でつなぐ、飛鳥の古今東西】アラスカの初代・飛鳥&飛鳥Ⅱ
ヘリのドアを開けて寒気が流れ込む中での撮影。水面に浮かぶ氷と船体がぶつかる音が聞こえてきそうだ(撮影=中村武弘)

アラスカの初代・飛鳥&飛鳥Ⅱ

アラスカと言えば山の間から下り落ちる氷河と、氷河により深く刻まれた水路、そして夏でも雪をかぶった山並みが象徴的だ。この雄大な光景ととも初代・飛鳥を撮ろうと夏のアラスカに渡った。この時に撮影した上の写真は、ジュノー南にあるトレーシー・アームでのもの。数千年前に氷河により刻まれた狭湾で、入り口から50キロ程入った奥に氷河が流れ落ちている。

 

時は変わり、カレッジ・フィヨルドを航行する飛鳥Ⅱを息子・武弘ともどもヘリから撮影した。現地へはアンカレッジ方面から高山を飛び越えなければならない。山頂の雲を避け、雲がない谷間を縫うようにヘリは進む。するといきなり氷原が広がり、その先に氷河が見えた。

乗客に氷河を間近に見せようと、岸近くを航行する飛鳥Ⅱ。左の写真はウェルズリー氷河に接近するタイミングに合わせて武弘が撮影した。

 

アラスカの氷河は何度も訪れているが、行くたびに氷が後退し、気候変動の影響がはっきりと目に見えるようになってきた。

【2代でつなぐ、飛鳥の古今東西】アラスカの初代・飛鳥&飛鳥Ⅱ
トレーシー・アームの入り口付近、氷が溶けてしまった支流を入れ込んで撮影した。(撮影=中村庸夫)

VOLVOX〈ボルボックス〉
中村庸夫・武弘親子が撮影を務める海洋写真事務所。七つの海を撮り、国内外で写真集、著書を100タイトル以上出版してきた。初代・飛鳥の就航以来、外観写真を撮り続けている。2006年に交通文化賞、2010年に海洋立国推進功労者表彰受賞。

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