2代でつなぐ、飛鳥の古今東西
親⼦2代で客船・飛鳥を追い続けるVOLVOXの写真家、中村庸夫⽒・武弘⽒。
「初代・⾶⿃」、そして「⾶⿃Ⅱ」の雄姿と撮影時のエピソードを届けよう。
「初代・⾶⿃」、そして「⾶⿃Ⅱ」の雄姿と撮影時のエピソードを届けよう。
晴海に入港してくる飛鳥Ⅱ。お台場側からフジテレビやレインボー・ブリッジなど越しに東京都心を望む。羽田の航空管制の関係で普段は入れない空域から風向きが良かったため撮影できた(撮影=中村武弘)
東京港の飛鳥と飛鳥II
東京港が母港だった初代・飛鳥の就航直後は、晴海客船ターミナルによく入港した。飛鳥の来港時にヘリコプターを飛ばして撮影したが、その頃の晴海にはふ頭の建物以外何もなく、草原や駐車場が多かった。
晴海は東京港の一番奥にあり着岸まで時間がかかるためか、徐々に横浜港に入ることが多くなった。飛鳥Ⅱに代わり横浜が母港になると、東京港へは年に1〜2度の入港となった。
その後、東京港岸には次々と超高層マンションやオフィスビルが建ち、晴海ふ頭の背後地には東京2020オリンピックに合わせて選手村が造られるなど、大変貌を遂げた。さらにオリンピックに合わせ、客船のホテルシップとしての活用が考えられた。これらの客船は大型でレインボー・ブリッジをくぐれないため、橋の外側に東京港国際クルーズターミナルが建設され、晴海は役目を終えた。
コロナ禍でしばし客船の動きが止まってしまったが、今後は外国船を含め、入港が増えてくるのを期待したい。
飛鳥が豊洲との間で方向転換して、出船で接岸する。(撮影=中村庸夫)
VOLVOX〈ボルボックス〉
中村庸夫・武弘親子が撮影を務める海洋写真事務所。七つの海を撮り、国内外で写真集、著書を100タイトル以上出版してきた。初代・飛鳥の就航以来、外観写真を撮り続けている。2006年に交通文化賞、2010年に海洋立国推進功労者表彰受賞。
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