太平洋フェリー「きたかみ」、新たなる航海へ

太平洋フェリー「きたかみ」、新たなる航海へ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2019.10.27
苫小牧〜仙台間を約30年間走った先代「きたかみ」に代わり、2019年1月、新「きたかみ」が就航した。
船内のコンセプトは「スペーストラベル」。先代からがらりと雰囲気を変えて登場した
新「きたかみ」の進化や魅力について、デビュー当時から乗船する船長らに話を聞いた。

写真=斎藤正洋 文=金丸知好
初めての人でも乗りやすい船

「きたかみにようこそ」

 

新しい船への最初の一歩は、壁に投影されたこの文字に迎えられた。入口正面のキッズエリアは、インタラクティブ映像が多彩に演出する不思議な空間。そこには歓声をあげながら遊んでいる子供たちの姿があった。

 

圧巻だったのは、中央階段の天井と壁面で繰り広げられるプロジェクションマッピングのショー。幻想的な映像が、ちょっと宇宙を遊泳している気分にさせる。

 

今年1月に引退した先代「きたかみ」はよく「平成の30年間を駆け抜けた」と形容されるが、同じ名前を引き継ぐ新船はもはや新しい元号では表現できない。船内は「スペーストラベル」(=宇宙旅行)という、フェリーとしてはかなり斬新な空間だからだ。

 

CRUISE GALLERY
太平洋フェリー「きたかみ」、新たなる航海へ
乗船日の夜、3度にわたって繰り広げられるプロジェクションマッピングのショー。スペースオペラを思わせる映像に、思わず足を止めて見入る乗客も多い
太平洋フェリー「きたかみ」、新たなる航海へ
プロジェクションマッピングの演出でプロムナードはアクアリウムの雰囲気に

「あら、どうしてこの船はショーがないの!」。デビュー直後に乗船したとき、そんな乗客の声を耳にした。太平洋フェリーといえば、ラウンジショー。しかし、新「きたかみ」ではカラオケ、ゲームコーナー、軽食スタンド、そしてスイートルームとともに姿を消した。

 

中村英樹チーフパーサーに初乗船時の印象について尋ねると「機能的かつシンプルな船だなあ」という答えが返ってきた。
パブリックスペースが中央部に集中している。その分、少人数のクルーで運営でき、その動線も把握しやすくなったことで「働きやすくなった」という。

 

ここで気にかかっていたことを尋ねてみる。ラウンジショーが無いことに対する乗客の反応だ。「初めは不満というより、戸惑いを覚える声が多かったですね。最近は少なくなりましたが」。そしてこのように続けた。「それらに代わり、ウィズペットルームやコインランドリー、シャワールームなどが新設されました。コンパクトな分、初めてフェリーに乗るという方には最適で乗りやすい船だと思います」

 

乗りやすさ。それは客室に顕著だ。大部屋はなくなり、それと同じ価格でカプセルベッドに泊まれるC寝台を新設。また、相部屋ながら個室感覚で利用できるエコノミーシングルも登場した。クロスツイン、フォースとユニークな1等客室も用意され、快適性は格段に向上した。

CRUISE GALLERY
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スイートルームはないが特等の和室は健在。「にっぽんの船旅」を満喫できる
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新登場の1等クロスツイン。上段ベッドへの階段は収納スペースとして利用可
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