飛鳥Ⅱで感じた安らぎ、見つけた新たな楽しみ

飛鳥Ⅱで感じた安らぎ、見つけた新たな楽しみ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2021.08.27

●陸上より安全なクルーズの旅を実感

 

今回のクルーズは、乗客のうち約3分の1が初乗船だという。運航再開時はリピーターが多いのではと予想していただけに、意外に感じた。実際、2度のPCR検査と徹底した感染症対策が陸上での旅行よりも安心と、初参加を決めた乗客にも出会った。しかも今回のクルーズは、1人参加の場合のDバルコニー客室のクルーズ代金が110パーセントと通常よりお得だったせいか、一人参加の乗客も少なくない。船内でのイベントも豊富だし、これなら寂しさもまったく感じないとも思った。子連れ家族も多く、特にプールが人気。陸上のプールよりも密にならず、利用前にはきちんと検温もある。子どもたちが伸び伸びとクルーズでの旅を楽しんでいる様子もよく見かけた。

 

飛鳥Ⅱの吉田悟ホテルマネージャーに、今回のクルーズ再開について話を伺った。クルーズの休止中は「再開に向けて、クルーのモチベーション維持に努めた」といい、フィリピン人クルーの日本語教育では、しりとりを採り入れたりして語学力のアップに取り組んだそうだ。筆者もディナー直後、ダイニング担当のクルーから「もなかは別腹!」と日本語で言われて思わず笑ってしまった。実際それがきっかけでもなかを目当てにアスカバルへ行ったし、乗客に絶妙のタイミングで声をかける気遣いなど感心することしきりだった。

 

加えて吉田ホテルマネージャーから、「万全の感染症対策を施すことができるクルーズが、新たな旅行の形として社会にも貢献できれば」との思いも聞いた。人流が抑制される時代だが、これだけ徹底した対策をすることで、乗客は少なくとも船内では心から安心して過ごせる。さらにそうした状況で運航を続けて安全を立証していくことは、社会への貢献にもつながっていくだろう。

現状できうる限りのあらゆる感染症対策を実践する飛鳥Ⅱでのクルーズは、ある意味、陸上よりも安全と断言してもいい。一方で飛鳥Ⅱらしさを随所に感じる上質なサービスや船内イベントはそのままに、この時代ならではの新サービスも加わって、さらなる進化も感じた。久々に、心の底から安心し、そして楽しく旅を楽しむことができた。

「いまできる新しい楽しみをとりいれていきたいと思っています」と語る吉田マネージャー(※撮影のため一時的にマスクを外しています)
CRUISE GALLERY
「いまできる新しい楽しみをとりいれていきたいと思っています」と語る吉田マネージャー(※撮影のため一時的にマスクを外しています)
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【取材メモ】
伊豆大島・新島遊覧クルーズ
日程:2021年8月1日(日)~3日(火)
コース:横浜~伊豆諸島クルージング~横浜
クルーズ代金:109,000円(Kステート)~455,000円(Sロイヤルスイート)
船名:飛鳥Ⅱ(郵船クルーズ)
総トン数:5万444トン
乗客定員:872人/乗務員数:490人
※乗客定員、乗務員数は最大時。現在は定員を減らして運航している。

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