【レポート】東京湾で涼を得る――眠っていた浴衣を着て、納涼船へ

 

●新しきさるびあ丸、船内散策も

 

この東京湾納涼船を実施しているのは、同社が誇る3代目「さるびあ丸」。フェリーとしては大きめの6099トンのサイズで、2020年に就航した新らしい船というのもポイントだ。東京湾クルーズに慣れてきたら、船内散策も楽しみたい。

 

船体を「TOKYOアイランドブルー」に彩られたさるびあ丸は、2020年夏期東京オリンピックのエンブレムも手掛けた野老朝雄氏が船体デザインを手がけた。内装も船体カラーリングにあわせた青と白を基調にした上品な内装だ。フロントでは通常のフェリー同様、船長服での記念撮影もできる。

船内には客室のほか、事前に申し込みすれば利用できるレストランも。レストランプランは大人5000円で17品の料理が入った船型の折詰弁当がレストランの席で食べられるほか、飲み放題と乗船券もついている。乗船券が1500円であることを考えると、だいぶお得だ。ちなみに同様にお弁当がセットになった和室プラン(4500円)、洋室プラン(4000円)もある。居場所を確保したいという人におすすめだ。

 

白と青を基調にした船内
船長衣装での記念撮影も可能だ
予約制で利用できるレストラン

 

船内散策をしていると、アナウンスがかかった。さるびあ丸の就航記念イメージソングを歌う、藤井恵さんのスペシャルライブが始まるという。納涼船のステージといえば毎年ゆかたダンサーズが船内を盛り上げていたが、コロナ禍もあり、今年はダンサーズは中止に。代わりにこうしたライブなど、船内イベントを企画しているという。

 

藤井恵さんの伸びやかな声と前向きなメロディーに、船内はほっこりと温まる。東京諸島のフラチームもかけつけて、ステージに華を添えた。東京都いえども諸島部を含めると広く、まだまだ行きたい場所がたくさんある。さるびあ丸は実に働き者で、この納涼船が帰港したあと、23時からすぐに東京~大島~利島~新島~式根島~神津島航路に就航する。納涼船下船後にそのまま島に行くのも悪くないな……と頭に浮かんだ。

 

フラダンサーズが花を添えたステージ
藤井恵さんも浴衣に身を包み、歌を披露した

そうこうしているうちにあっという間に竹芝客船ターミナルが近づいてきた。出航時はマジックアワーだったが、周囲はすっかり夜の帳が落ち、夜景が一層輝いて見える。そびえたつタワーマンションにはいくつもの明かりが付いていて、明かりの数だけ色々なドラマがあるのだろうなと思うと、なんだか不思議な気持ちになった。

 

気づけば遊覧中、2時間近くほぼ立ちっぱなしだった。けれどもそれが苦にならないほど、あっという間の時間だった。下船して振りかえると、さるびあ丸が夜の港で輝きながら佇んでいた。

夜になると一層夜景が輝く
男性の浴衣姿も多い。男性ももちろんレンタル可能
納涼船として活躍するさるびあ丸。この後、東京の島々をめぐる
CRUISE GALLERY
納涼船として活躍するさるびあ丸。この後、東京の島々をめぐる

■東京湾納涼船2022公式サイト

https://www.nouryousen.jp/

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