ぱしふぃっくびいなすで航く
「北前航路に思いを寄せて」
上田寿美子氏夫妻も乗船

ぱしふぃっくびいなすで航く 「北前航路に思いを寄せて」 上田寿美子氏夫妻も乗船 
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.11.02
隠岐諸島周遊のハイライトともいえる、西ノ島の国賀海岸の眺め。火山活動がもたらした壮大なスケールの景観が見事

翌朝、隠岐諸島周遊で船旅の醍醐味を再認識した。遊覧は知夫里島の赤壁からスタート。約600万年前の火口跡という赤茶けた崖の荒々しさに、どんな景観が待っているのか期待が膨らんだ。

 

知夫里島を後にし、次は西ノ島の国賀海岸沖を航行する。内部に美しいコバルトブルーの海が広がる天然の洞窟「明暗の岩屋」、海に大きくせり出した巨大な岩のアーチ「通天橋」、そして海抜2 5 7メートルの大絶壁「摩天崖」と変化に富んだ海岸の浸食地形は約7キロも続く。断崖に映る光と影のコントラストが、景色のダイナミックさを際立たせていた。

 

大中小の3つの奇岩が並ぶ三郎岩を通過し、船は隠岐カルデラ内部へ。先ほどの強風がうそのように、風は柔らかで、波も優しい。ここは大規模な火山活動と浸食でできたカルデラだ。ぐるりと見渡すと、知夫里島、西ノ島、中ノ島の3つの島が外輪山のように見え、カルデラ内を航行していることが実感できる。漁船が停泊する集落や丘陵に立つ風車など、人の営みを感じる景色を楽しんだ。

瀬戸内海クルーズのは美しい朝焼けの眺めからスタートした
CRUISE GALLERY
瀬戸内海クルーズのは美しい朝焼けの眺めからスタートした

隠岐諸島周遊の後、船は境港に入港。下船すると境夢みなとターミナルでは、ご当地キャラクターの出迎えにほっこり。

 

境港では自由行動を選択し、まず「弓ヶ浜サイクリングロード」へ向かった。とはいえ、このサイクリングロードは、境夢みなとターミナルが起点となっており、ターミナル内でレンタサイクルを借りて出発できる。アップダウンが少ない道が特徴で、松林と砂浜の間を進むコースは爽快感抜群だ。

 

皮革で動物などを表現した世界初のレザーアートミュージアム「本池美術館」へも足を運んだ。革を用いて再現されたキリンやライオン、ゴリラなどは今にも動き出しそうなほどのリアルさ。本池秀夫氏の原点である革人形で表現した日常のワンシーンを切り取った作品の数々にも魅せられた。

 

隣接する島根県も境港から観光圏内だ。今回は車で20分ほどの「美保神社」を目指した。目の前に美保湾が広がり、鳥居前の青石畳通りにはかつて船宿だった建物が残る。北前船の寄港地として栄えた往時の活況を想像しながらの散策も楽しい。

「弓ヶ浜サイクリングロード」は境夢みなとターミナルと皆生温泉を結ぶ約15.8キロのコース。散策も可能で、海沿いの道は清々しい気分に
革で表現することの可能性を感じさせてくれる「本池美術館」。上田氏も記念撮影をしながら鑑賞

クルーズの終着は金沢港。新設されたターミナルをバックに、ミス加賀友禅などが出迎える中、歓迎セレモニーが華やかに行われた。

 

ぱしふぃっく びいなすが今回見せてくれた光景に、かつて北前船で行き交っていた人々も心を動かされたのだろうか。そんな想像が広がる、令和の北前航路クルーズだった。

さわやかな秋空の下、金沢港で歓迎セレモニーが行われた
CRUISE GALLERY
さわやかな秋空の下、金沢港で歓迎セレモニーが行われた
ロゴショップに新しく仲間入りしたオリジナルグッズの折り畳みタンブラーと国際信号旗をデザインした手ぬぐい
オープンバーのアフタヌーンティーの特製スイーツ。オリジナルのブレンドコーヒーは午前と午後で銘柄を変更

【取材メモ】
令和の北前航路 ~神戸×金沢連携記念~
日程:2022年9月12日(月)~15日(木)
コース:神戸~(瀬戸内海クルージング)~
(隠岐諸島周遊)~境港~金沢
船名:ぱしふぃっく びいなす(日本クルーズ客船)
総トン数:2万6594トン
乗客定員:620人/乗組員数:220

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