高3娘と両親で南を目指す飛鳥Ⅱでの10日間。
九州・沖縄・宮古島へのクルーズは
「大人の階段」の第一歩
一度乗ってしまえば荷物を運ばなくていい気楽さはもちろん、
船内にはそれぞれの嗜好に合わせた過ごし方・楽しみがある。
日本船ではファミリーで乗りやすい週末利用のショートクルーズや
ゴールデンウィークやお盆・年末年始など、長期休みに合わせたクルーズがそろう。
その良さを実体験すべく、飛鳥Ⅱにファミリーで乗船した。
ゴールデンウィーク10日間のクルーズは平日3日休めば乗れるとあって
共働きの妻と高3=受験生のひとり娘を誘った飛鳥Ⅱの旅。
それは娘は無論、家族全員にとっての貴重な経験となった。
娘にはドレスコードも貴重な経験
乗船前の服探しは試行錯誤で
わが家は高3ひとり娘に僕と妻の3人家族で、娘は今春から受験生。いずれ大学生になれば自分の世界で暮らすものだし、ある意味では、家族旅行はこのGWが最後のチャンスかも……。 そんな機会を逃すまいと乗ったのが、飛鳥Ⅱの「GW 九州・沖縄クルーズ」10日間だ。今年はカレンダーの曜日にも恵まれ、出発日の4月28日(金)とGWの合間の計3日を休めば良かった。もちろん各人都合はあったけれども、「これに勝る人生経験はない」という思いで職場や学校に了解を得て、乗船へと漕ぎ着けた。 妻も娘も、それぞれクルーズ自体は2度目。とはいえ1、2泊のショートの経験があるのみで、船旅のすべてを満喫できる長めの航海は初めてだ。
ファミリークルーズが家族にとってどんな経験になるのかは、乗り慣れた身としても、想像できる部分とそうでない部分があった。 乗船前に娘の服を買いに行くのも一大行事。何しろ娘にとっては人生初のフォーマル・インフォーマルで、しかも微妙な年頃の高3女子。どのような格好を選べば良いのかも試行錯誤だ。多くの女子高生がそうであるように、まださほどおしゃれに気遣うでもなく、化粧をし始めるほどでもなく、といった歳。大学生に至らない年齢というのが逆に難しく、どこまでおめかしするべきか、ヒールの高さはどうするか、もっと言えばセクシー感は出して良いのか、等々。
これがアメリカなら卒業パーティー「プロム」みたいに派手なドレスでばっちりキメて……となるのだろうけど、わが家はそこまででもない一般的な日本の家庭で、何より幼い子供と違って当人がどうしたいかという意思もある。 かくして「ほどよく、品よく、悪目立ちせず」くらいに収めて臨んだのが、乗船2日目・終日航海日のインフォーマルだ。
フォーシーズン・ダイニングルームで味わう料理は、この日の晩はイタリアン。写真のハモンテルエル モッツァレラ トマトのコンポジション、イカ墨を練りこんだスパゲッティ 海苔とトマトのクリームソース、八丈島産アカハタと蕪の包み蒸し、メインの黒毛和牛の網焼き ルッコラと塩レモンなど、遊び心と変化に富んだ上品な料理に満たされた。 娘はテーブルマナーにも惑わず食事を楽しめた。不安なく新たな経験ができるのも、家族が一緒だからこそのメリットだろう。