にっぽん丸で春を感じるクルーズへ
新しい気づきに満ちた、子連れ船旅
一度乗ってしまえば荷物を運ばなくていい気楽さはもちろん、
船内にはそれぞれの嗜好に合わせた過ごし方・楽しみがある。
日本船ではファミリーで乗りやすい週末利用のショートクルーズや
ゴールデンウィークやお盆・年末年始など、長期休みに合わせたクルーズがそろう。
その良さを実体験すべく、春休みを利用して、「春旅にっぽん丸」に参加した。
それは船旅での時間は子供と一緒だと、こんなにも新たな視点が加わるのかという驚きの連続。
年齢的に早いか……という事前の不安は、すっかり杞憂に終わった。
会員組織加入でお得に子連れ船旅を
船に親しみ、リゾート感を味わう
出だしから「失敗した……」と悔やんだ。事前に宅配便で「にっぽん丸」に荷物を送れるのは知っていたが、忙しさにかまけて後回しにし、結局当日重いスーツケースを転がしての乗船になったからだ。何かと荷物の多い子連れ船旅、荷物は事前に船に送った方がいい。同乗する5歳、7歳の二人娘の手をひきつつ、そう痛感した。
一方の子供たちは、足取りも軽い。初乗船するにっぽん丸が楽しみで仕方ないようだ。事前に同船の子供向け会員組織「キッズドルフィンズクラブ」に登録していたため、受付後にオリジナルのネックストラップをもらえて、二人はさらにご機嫌になった。 このキッズドルフィンズクラブは、運航する商船三井客船が未来を担う子供たちに海や船に親しんでもらいたいと、2022年に開設した会員組織だ。
会員になると年4回の会報誌がもらえるほか、全クルーズ10室限定で子供1名の乗船料が無料という太っ腹の特典がある。すなわち大人2人+子供一人の構成なら、大人2人分の料金で乗船できるのだ。そのせいか、今クルーズでも親子3人のほか、祖父母+孫一人のグループもいた。自分もいずれ、孫を船旅に連れて行けるようになれたら……と想像をめぐらす。
●リドデッキでリゾート感を満喫
それにしても今回は、事前の荷造りから勝手が違った。乗船したのは4月の「春旅にっぽん丸」。うららかな季節とはいえ、さすがにプールには早いかなと思いつつ、念のためスーツケースに水着を放り込んだ。大人だけの船旅なら、持っていかなかっただろう。
結果としてこれが大正解。娘たちはリドデッキにあるプールを見るなり「入りたい!」と言い出した。同船のプールは開閉式の天井を備えており、肌寒い日もある4月でも利用できたのだ。
実際に入ると、水温は約30度とほんのり温かい。深さは1・5メートルあるが、手すりが張りめぐらせており、泳ぎが達者ではない子供にも遊びやすいプールであることがわかった。浮き輪も貸し出してくれるし、喉がかわいたらすぐドリンクがもらえる。乗船早々、「リゾートにっぽん丸」を満喫した。
その後娘たちが吸い寄せられたのは、スパ&サロンのショーウィンドウだ。並んでいるネイルデザインの中に、にっぽん丸船体を描いたものを見つけ、「可愛い!」と見入っている。するとスタッフが「キッズネイルのサービスもありますよ」と案内してくれた。マニュキアに好きなネイルシールを2枚選んで税込み1760円というリーズナブルな価格設定。マニュキアには早い年齢だけど、「やりたい!」という大合唱に親もほだされ、挑戦することになった。
小さな爪に丁寧にマニュキュアを塗りながら、「先日のファミリークルーズでは100人近いお子さまが乗船されたんです。キッズネイルもかなりの方が挑戦していました」とネイリストの方が教えてくれた。にっぽん丸では春休みや夏休みに「ファミリークルーズ」を実施している。子供向けの船内イベントも豊富で、文字通りファミリーに人気のクルーズだ。