6年ぶりの飛鳥Ⅱ世界一周クルーズ
ゆったり船上生活と憧れの寄港地へ
●エンターテイナーの充実と ネット環境のうれしい改善
エンターテイナーは特にミュージシャンが充実著しく、終日航海日が続く区間では何組ものグループが乗船して盛り上げてくれた。ジャンルはクラシック系やジャズを筆頭に、インド楽器のシタール、世界中から集まった歌い手によるヴォーカル、アフリカン、フレンチポップ、シャンソン等々。海域に見合ったテーマの演奏で変化に富むのもうれしいところ。
また、初の本格運用となるスターリンク衛星経由のWi-Fiが良好で、スマートフォンやタブレット端末などでのメッセージ送受信、SNSへの簡単な動画のアップなども一定程度は普通にできるようになった。英仏海峡まで来た時点でも、毎日途切れずつながっているのは素晴らしい。実感として「ごく一部の大洋上で一瞬だけつながらないタイミングがあったかな」というくらいのつながり具合。
これもこれまでの世界一周とは大きく異なる点だ。日々の船上生活の感動を、興奮醒めやらぬままに日本の家族や友人とリアルタイムで共有することができ、先々の寄港地の見どころも検索できる。
多くの乗客が「便利になって楽しみが増えた」と感じており、ますます世界一周クルーズが身近で過ごしやすいものになったと思う。




船がヨーロッパに入ってからはオーバーナイトの停泊や、中1日で次の寄港地に入ることも多くなった。大航海時代の世界の中心とも言うべきリスボンは、日中の入港でオーバーナイト。テージョ川の名所・ベレンの塔や発見のモニュメントをデッキから間近に望んだ上に、路面電車が夜景に映える姿や、ファドの調べが聞こえる中での散策も満喫できた。
印象派の画家が愛したオンフルールも、建物に囲まれた四角い旧港が美しい。ムール貝などを出すレストランの屋外席の賑わいに身を置くのもいい経験だ。また、モンサンミッシェルへの寄港地観光ツアーも各種あり、筆者は昼食付き一日観光で行ってきた。片道約3時間半の高速道路は快適で、車窓はなだらかな起伏の田園に洋館や古城が立つノルマンディーの絶景だ。
船はヨーロッパの後も北米へ渡ってパナマ運河を抜け、太平洋へと旅を続ける。夢のようなクルーズライフは、うれしいことに、まだまだ終わりそうもない。










2024年 世界一周クルーズ(100日間)
日程:横浜発着2024年4月5日(金)~7月13日(土)、 神戸発着4月6日(土)~7月14日(日)
コース:横浜~神戸~シンガポール~ポートルイス~ケープタウン~テネリフェ島~リスボン~オンフルール~ゼーブルージュ(ブルージュ)~ハンブルク~ドーバー~ボストン~ニューヨーク~ナッソー~(パナマ運河通航)~プンタレナス~プエルトケッツァル~バンクーバー~ホノルル~横浜~神戸
クルーズ代金:6,900,000円(Kステート)~ 33,900,000円(Sロイヤルスイート)
船名:飛鳥Ⅱ(郵船クルーズ)
総トン数:5万444トン
乗客定員:872人/乗組員数:約490人