心を満たす芸術の秋、食の秋
博多発着ウィーンスタイルクルーズ

心を満たす芸術の秋、食の秋 博多発着ウィーンスタイルクルーズ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2024.12.27
沈む間際は空も美しい橙色に。

素晴らしい夕日のあとには
本場ウィーンの伝統料理の数々を

 

3連休を使った2泊3日のクルーズは決して長くはないが、変化に富んだ魅力がギュッと濃縮されていて、なおかつ「中1日」をゆったり過ごせる余裕がうれしい。もしかするとこれは多忙な日常からのエスケープとして最上ではないか。出港時の曇天はどこへやら、海も空も真っ青で、素晴らしい夕日も拝めた2日目の晩、そんなことをふと考えた。

時間が経つにつれて風も収まり、穏やかな海面を夕日が照らした。
時間が経つにつれて風も収まり、穏やかな海面を夕日が照らした。
時間が経つにつれて風も収まり、穏やかな海面を夕日が照らした。

待望のディナーはオーストリアの伝統料理。レストラン「銀座ハプスブルク・ファイルヒェン」の神田真吾シェフがゲストシェフとして腕を振るった。「初代飛鳥以来の久しぶりの乗船で、とてもワクワクしています」とご本人。神田シェフはオーストリア国家公認キュッヘン(料理)マイスターで、つまりはオーストリアの食文化の継承者として認められた方。

オーストリア料理の美味しさと奥深さを伝えてくれた神田真吾シェフ。
オーストリア料理の美味しさと奥深さを伝えてくれた神田真吾シェフ。
前菜、低温マリネしたサーモン“ツァーレンラクス”。
前菜、低温マリネしたサーモン“ツァーレンラクス”。

コースは前菜の低温マリネしたサーモン“ツァーレンラクス”に始まり、チロル州の伝統料理、隣国ハンガリーから伝わったウィーナーグーラッシュズッペ(ズッペ=スープ)、オーストリア伝統料理で佐助豚肩ロースをじっくり焼き上げた“シュヴァインツプラーテン”など。取材時の季節である秋のデザートまでを存分に味わった。

 

「ウィーンを中心にハプスブルク家が栄えたことで、周辺からさまざまな人や文化が集まりました。料理のルーツも旧ボヘミアやトルコ、スペインなどと多岐にわたります」と神田シェフ。そして「ウィーン料理って何だろう、とは僕も思います」とも。オーストリア料理とウィーン料理も決してイコールではなく、誇り高い市民は多くの料理に「ウィーン風」と名付けてきた。「外から入った数多の料理を自分たちの文化にまで高め、極めて能動的にウィーン料理を創り出しているのだと思います」。

シェフも暮らしたチロル州の伝統料理より2品。
シェフも暮らしたチロル州の伝統料理より2品。
心も温まるスープはハンガリーから伝わったもの。
心も温まるスープはハンガリーから伝わったもの。
メインは佐助豚肩ロースの“シュヴァインツプラーテン”。
メインは佐助豚肩ロースの“シュヴァインツプラーテン”。
栗とバニラの味わいが嬉しいデザート“マローニパラチンケン”。
栗とバニラの味わいが嬉しいデザート“マローニパラチンケン”。

そもそも神田シェフはなぜオーストリア料理の世界に?と尋ねると、お父様がアルペンスキーをしていた関係で、チロル州のホテルのオーナーシェフとご縁があったとか。「当初3カ月のつもりで修業に行ったのですが、皆さんすごく心やさしい人たちで、例えばホームシックになった時にも温かいスープを出してくれたり……」。そんなやさしさに触れた上に、父の教えでもある「人と違うことをやれ」を思い出し、歴史あるオーストリア料理を日本でやると決めたそう。

 

シェフいわく、「飛鳥IIはホスピタリティのあるやさしい船ですよね。その雰囲気に、今回のメニューは合っていると思います」。今回は敢えて華やかさは控えめにして、伝統料理に徹したそうだ。一見素朴なところもあるけれど、味わうほどに多様さと文化的な深みを楽しめる。そんなメニューをオーストリア産ワインとともに味わった。

 

それにしても、音楽と食に秀でた歴史ある古都ウィーンは、まさに優雅な船旅の題材としてふさわしい。「飛鳥II」の定番テーマクルーズになっているのも乗って納得。中1日の終日航海がある3日間だからこその、船内をウィーンづくしで染め上げた個性的なクルーズだった。

3日目の朝に博多港で下船。まだたっぷり1日あるから観光もできる。
3日目の朝に博多港で下船。まだたっぷり1日あるから観光もできる。
取材メモ

博多発着 秋の連休 ウィーンスタイルクルーズ

日程:2024年11月2日(土)〜4日(月・祝)

コース:博多~(クルージング)~博多

クルーズ代金:138,000円(Kステート)~670,500円(Sロイヤルスイート)

船名:飛鳥II(郵船クルーズ)

総トン数:5万444トン

乗客定員:872人

乗組員数:約490人

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