ハワイ・アラスカグランドクルーズ
「飛鳥Ⅱ」が見せるありのままの大自然

ハワイ・アラスカグランドクルーズ 「飛鳥Ⅱ」が見せるありのままの大自然
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2019.08.27

●言葉にならないほどの感動

 

アラスカでのハイライトのひとつは、「インサイド・パッセージ」の航行である。バンクーバーからスキャグウェイまでの約1600キロをつなぐ、氷河が織りなす複雑に入り組んだ水の回廊だ。その海岸線にある町のほとんどが陸路でのアクセスが難しく、船でしか訪れることができない。

 

「本船左舷側、遠くにラッコがいます」「右舷前方、クジラが見えます」。インサイド・パッセージ航行中はブリッジからの船内放送が何度も流れ、乗客も右に左にと大忙し。望遠レンズを付けたカメラを持ってシャッターチャンスを狙う人もいて、私もその中に交ざってシャッターを切った。

 

インサイド・パッセージを航行中、かなりの至近距離でザトウクジラの姿を発見
CRUISE GALLERY
インサイド・パッセージを航行中、かなりの至近距離でザトウクジラの姿を発見

 

●氷河の圧倒的なスケール

 

アラスカの州都・ジュノーでは「氷河上陸ヘリコプターと犬ぞり体験」という見どころ満載のオプショナルツアーに参加した。ヘリコプターからは眼下に広大なメンデンホール氷河が広がり、氷河が崩れ落ちた後の岩肌などをはっきりと見ることができた。

その後、雪原に着陸。周りを雪山や氷河に囲まれた広いくぼ地で、ガイドと一緒に犬ぞりへと乗り込んだ。雪道の凸凹が体に伝わってくるほどのスピードで雪山の中を走り抜けるのは爽快だった。

 

インサイド・パッセージを抜け、アラスカの最終ポイント、カレッジフィヨルドへ向かった。この日は晴天に恵まれ、海も穏やか。流氷の数も少なく、船はできるだけ氷河の近くに寄せて停まってくれた。氷の壁からは1キロほど離れているはずなのに、すぐそこにあるような錯覚を覚えるほどの圧倒的なスケールの大きさに驚いた。

 

時々、氷河の崩落から少し遅れて雷鳴のような音が聞こえた。氷河が崩れ落ちる音「ホワイトサンダー」だ。じっと氷河を眺めていると、予兆のように最初、パラパラと小さな欠片が落ちていく。その後、氷壁がズルっと海面に落ちる。その数秒後、少し遅れて大きな雷鳴が洋上に響く。その初めて見る光景にただただ圧倒され、言葉にならない感動が込み上げた。

ハワイ・アラスカクルーズが人気である理由。それはどちらにもクルーズでしか見られない絶景があり、そこでしか聞くことのできない大自然の鼓動をじかに感じとることができるからではないかと、クルーズを終えた今思う。

CRUISE GALLERY
ケチカンにはアラスカ先住民が残したトーテムポールが数多く見られる
ハーバード氷河の崩落は、遠近感を狂わせるほどの迫力があった
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