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MSC、ベリッシマ船上で 約320人の視察旅行とシンポジウム開催

2026.05.26
業界

MSCクルーズは、5月10日から12日までの3日間、航行中の「MSCベリッシマ」船上で、国土交通省、旅行会社、港湾関係者、メディアなど約320人を招いた視察旅行を実施した。

 

船上では、官民連携によるクルーズ人口拡大に関するセミナーを開催。MSCクルーズ日本・韓国の区祥誠・営業本部長が2035年までのアジア市場における展開と展望について説明した。「2030年までにクルーズ人口100万人」目標の達成には若年層の取り込みが不可欠であり、この実現には船会社単独ではなく、旅行会社との連携が極めて重要であると指摘した。

 

続いて登壇した国交省港湾局産業港湾課クルーズ振興室の石倉俊彦・課長補佐は、日本のクルーズを取り巻く現状を説明するとともに、インバウンド誘致、アウトバウンド拡大、観光地・観光産業の強化、人材育成の重要性を述べた。加えて、オーバーツーリズムなどの課題にも言及した。さらに、静岡県交通基盤部港湾振興課の田名部武司・総括主査からは、清水港における受入体制の事例が発表された。

 

このほか「クルーズの未来――次世代市場の創出に向けて」をテーマに、同船初となる船上シンポジウムも開催。パネリストとして、沖縄キリスト教学院大学人文学部観光文化学科の糸澤幸子・准教授、JTB ロイヤルロード事業部クルーズ部の長谷川由香・営業戦略課長、MSCクルーズジャパン日本・韓国の区営業本部長が登壇した。

 

JTBの長谷川氏は若年層の旅行動向について、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスに加え、最近では「メンパ」(メンタルパフォーマンス)と呼ばれる安全性や心理的ハードルを重視する傾向があることに触れ、単なる商品開発にとどまらず、「どのような価値を届けるか」が若年層市場の拡大には重要であると述べた。

 

糸澤准教授は、クルーズ船を、ホスピタリティ産業を実地で学べる「新しい観光教育の未来モデル」と位置づけ、教育的価値の高さを強調。観光文化学科では初年度からクルーズ船見学を実施し、この新しい教育モデルを実践していることを紹介した。

 

最後に長谷川氏は、「若年層市場はこれから関係者全体で設計していく段階にある。単なる販売ではなく、顧客や教育機関が感じる価値を翻訳し、届けていくことがわれわれの役目だ」と語り、市場創出への意欲を示した。

MSC、ベリッシマ船上で 約320人の視察旅行とシンポジウム開催
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