写真家が綴る、ファインダー越しの飛鳥Ⅱ

写真家が綴る、ファインダー越しの飛鳥Ⅱ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.10.27
船旅の愉しみは写真の愉しみ。飛鳥Ⅱの船上で長らくカメラを構える筆者が
日本各地をめぐるクルーズ中の写真を選び、写真家の心の内と技法を綴(つづ)る。
写真・文=高橋敦史
<光と影>――contrast between light and shadow

クルーズ中の写真家がカメラを構える際に最も気にしているのは、きっと光の向きだろう。

 

太陽を背にする順光なら青空も海もパッキリと青く写る。太陽のほうにカメラを向ける逆光や半逆光なら、シルエットを生かしたドラマチックな絵作りになる。人間が見ているほどにはカメラは再現できず、完全な順光から30度以上外れた角度では、写真の空や海は白くかすんでゆくはずだ。

 

青い空、白い雲。青い海。

 

そんなイメージを期待し期待されている身としては、ついつい太陽を背にする時間が長くなる。「首の後ろばかり日焼けしていたら、そいつはきっとカメラマン」。笑い話のようだけど、あながち外れていないとも思う。

 

ここに掲げた3枚はいずれも快晴の日の撮影だ。なのに写真を占める色合いはどれも異なる。それぞれの写真がそれぞれに、意図して光の向きや状態を選んでいると分かるだろう。

 

撮影趣味ならではの目線を総じてカメラアイと呼ぶ。常々絶景を目するクルーズ愛好家なら、それを発揮する機会は十二分にある。

 

(上写真)那覇に入港中の飛鳥Ⅱを橋上から。白亜の船体とエメラルドグリーンの海はやはり船旅のハイライト。船体全景を望む機会は多くないので逃さず撮りたい

写真家が綴る ファインダー越しの飛鳥Ⅱ
海景や朝日・夕日は船体越しに。写真家は船上ならではの気分やリアリティをいかに一枚に落とし込むかをいつも考えている
CRUISE GALLERY
写真家が綴る ファインダー越しの飛鳥Ⅱ
海景や朝日・夕日は船体越しに。写真家は船上ならではの気分やリアリティをいかに一枚に落とし込むかをいつも考えている
写真家が綴る ファインダー越しの飛鳥Ⅱ
毎回違う海の色。半逆光で輝く海とシルエットになった船はモノクロームのよう。同じ晴れでも光の向きだけで表現はこうも変わる
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写真家が綴る ファインダー越しの飛鳥Ⅱ
毎回違う海の色。半逆光で輝く海とシルエットになった船はモノクロームのよう。同じ晴れでも光の向きだけで表現はこうも変わる
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