■クルーズの最大の山場は、バルコニーにて
四半世紀、客船に乗ってきて、クルーズの最大の山場は、バルコニーでの朝食だと思っている。
ということで、ルームサービスのメニューをバルコニーに運んでいただき、海を見ながらの朝食となった。
あいにく空は「層雲に蔽(おお)われたまま」であるが、海風と波の音が聞こえれば、完璧な異空間体験である。週末のブランチ以外、朝食は夫婦別々に取るが、船上のゆったりとした環境だと共に食べられるのがいい。


脳活性のことをいろいろ書いているが、人間の脳はぼーっとしているときに、実は非常に活性化している。これを「デフォルト・ネットワーク」という。
ではただ、ぼーっとしてればいいのかというと、なかなかそのあたりが難しい。
実際には瞑想状態になる必要があるが、ややそれはレベルが高い。バルコニーで海風にあたりながらの朝食で、十分デフォルト状態になる。ぼーっとしながら脳も元気になっているというわけだ。
飛鳥Ⅱには展望大浴場に加えて、インフィニティー・プールのような露天風呂があり、そこで景色や海風を感じながらぼーっとしているのもいいように思う。しかし、残念ながら、私はお風呂にぼーっとするほど入っていられない性格なので、バルコニーでぼーっとしていた。


寄港地のない周遊クルーズなので、船内のアクティビティーに参加してみた。
輪投げ大会にも参加した。輪投げ?と思うかもしれないが、何事も真剣にやってこそ、面白さがわかるというもの。珍しく家内も参加して、8チーム中、堂々4位となり飛鳥シールの記念品を手に入れた。
さらに「お花のポット作り教室」にも、突撃してみた。「手が自然に動くんです」という棟方志功的な私としては、何かを作ることは自慢とは言わないが、任せて欲しい。
ということで先生の説明を聞きながら、すでにニコライ・バーグマン風、フラワーポットは圧倒的なスピードで完成した。


■クルーズでの食事を期待するなら、やはり日本船
昼食は春のクルーズにふさわしい、桜がちりばめられた和食「春御膳」で、桜色の素麺など春の雰囲気満載であった。さらにお寿司も一緒に出てきたので、これはクルーズでは最高の食事ではないかと思った。クルーズでの食事を期待するならやはり日本船ということになる。内容だけでなく、食事のサービスを受ける心地よさは、家事から解放されている笑顔の家内からわかった。



