脳を活性化させる、飛鳥Ⅱの春クルーズ
夫婦で乗って、週末リフレッシュ
客船のすばらしいところは、眠たくなったら客室で昼寝ができることだ。
しかし、今回は昼寝をする暇なく、船内を動き回って、船首のビスタラウンジで、水彩画のスケッチをしてみた。
水彩画のスケッチはクルーズではずっと続けている。写真を撮るより、その時の状況を記憶に刻み込むことができて、絵の上手いヘタは関係なく、旅の記憶方法として非常に優れているように思う。
ディナーも春の雰囲気がちりばめられたフレンチで、味だけでなく季節感も食事には重要なのだと知った。最後は桜色を意識した美しいデザートで締めくくられていた。
ディナーのあとは、村治佳織さんのクラシックギター演奏が聴けた。坂本龍一さんと一緒に演奏したという「戦場のメリークリスマス」は、「戦場」を「船上」と説明した村治さんのトークにジーンきた。
■異空間体験を経て、夫婦でリフレッシュ
翌日は晴れの横浜帰港となった。
入港の時、「層雲に蔽(おお)われたまま」の雲が消えて、富士山がくっきりと高層ビルの間から見えた時は、今回のクルーズの輝きを見せた瞬間でもあった。
クルーズは異空間体験、デフォルト状態を取り戻す時間と思っている。互いに違う仕事を持っていると、夫婦でリフレッシュすることが難しい。船上でもそれぞれに好きなことをすることも多いが、同じ空間で何かを一緒に体験することはやはり貴重な時間だ。
2泊3日という短いクルーズだったが、飛鳥Ⅱは十分それを叶えてくれた。
米山公啓氏プロフィール
医師・作家
聖マリアンナ大学医学部卒業、超音波を使った脳血流量の測定や、血圧変動からみた自律神経機能の評価などを研究。老人医療・認知症問題にも取り組む。聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年に退職。本格的な著作活動を開始。現在も東京都あきる野市にある米山医院で診療を続けている。年間10冊以上のペースで書き続け、現在までに300冊以上を上梓。近日発売予定に『脳が老化している人に見えている世界』(アスコム)がある。講演会、テレビ・ラジオに出演多数。雑誌CRUISEでの連載も行っていた。外国客船を中心にクルーズ船の乗船・取材経験も多数。
取材メモ
飛鳥Ⅱ 春の週末 伊豆諸島周遊クルーズ
日程:2023年4月14日(金)~16日(日)
コース:横浜~(伊豆諸島クルージング)~横浜
船名:飛鳥Ⅱ(郵船クルーズ)
総トン数:5万444トン
乗客定員:872人/乗組員数:約490人
https://www.asukacruise.co.jp/