にっぽん丸でかなう、寄港地との新たな出会い
特別なプログラム以外の寄港地イベントも多彩だ。2024年、注目なのが「飛んでクルーズ北海道」全コースで実施予定の「羅臼ミュージアム」。羅臼の自然や歴史文化などを紹介する展示だけではなく、にっぽん丸だからこそできる博物館となる予定で、期待が高まる。カフェも併設予定だ。
寄港地ツアーについてもすべて下見し、自社で造成するのはにっぽん丸ならでは。その内容には、乗客からじかに聞く声がしっかり反映されている。たとえばツアーの食事は、おいしいものを種類豊富に、少しずつ味わいたい人が多いにっぽん丸の乗客に存分に喜んでいただける形に。「お刺身が2種類を3切れずつ出すお店なら、3種類を2切れずつに、と交渉します」(藤川さん)。ツアーのあらゆる場面に、こうしたきめ細かな配慮がある。
特に注目なのが、2024年9月発「シルバーウィーク 食の日本一周クルーズ」の「おいしいものめぐり」。「各地の食べ物がおいしい時期なので多くの方に味わっていただきたい」(冨田さん)。たとえば七尾では北陸屈指の寿司処というように、各寄港地で地元と協力し、厳選した名店を訪れる。まさに「美食の船」らしいツアーだ。
ほかにコンパクトなにっぽん丸しか寄港できない、奥尻や隠岐といった離島でのツアーもおすすめ。手つかずの島の自然を、ぜひツアーで体感したい。過去には奥尻のツアーを準備していたのに、入港できないことが数年、続いた。「3カ月に一度ぐらい、島にはないファストフードを手土産にして訪ねて(笑)、信頼をつなぎ止めました」(藤川さん)。
現地と築く信頼関係は、寄港地ツアーでも特別なことを可能にする。和歌山電鐵のネコ駅長「たま」がモチーフで、人気の「たま電車」に乗るツアーでは、にっぽん丸のために時刻表が変更され、運行された。








●船内でも寄港地の雰囲気を存分に
寄港地の魅力を体感できる場として、さらに船上で特設カフェが用意されることもある。2024年は「飛んでクルーズ沖縄」で「美ら海カフェ」がオープン。7月の「にっぽんの楽園クルーズ~八丈島~」では、現地ムード満載の「8-28 10 Cafe」が登場予定で、都内の人気かき氷店も店開きするというから、楽しみだ。
発想豊かな、幅広いプログラムで寄港地の魅力もたっぷり味わえるにっぽん丸。「乗客には国内を旅し尽くしている方が多いです」(冨田さん)。だからこそ「2度目、3度目の寄港地でも常に新しい体験、楽しさをご提供していきたいです」(藤川さん)。にっぽん丸のクルーズで、寄港地との新たな出会いをぜひ満喫しよう。