にっぽん丸のスイートで極上の夢を見る

CRUISE STORY
クルーズストーリー
2019.02.27
「春日」の柔軟なサービスで
極上の味を気軽に楽しむ

●ショーもディナーもスイート流のもてなしで

 

夕刻、カクテルパーティーとバルーンパフォーマンスショーを楽しむためドルフィンホールへ向かう。スイートルームに滞在していると、バトラーを通して希望の席を予約してもらえるのがありがたい。ほの暗い会場でピアノの音色とともに耳に優しい歌声が響く中、バーテンダーの特別レシピによる甘いカクテルが振る舞われる。バルーンパフォーマーのSyanさんによるショーが始まった。バルーンでアニメのキャラクターや生き物が形作られる様子は、まるでマジックのよう。スピーディーな展開と観客との息の合った掛け合いが相まって、喝采を浴びていた。

 

甘くフルーティーなカクテル。アルコール度は星印の数でチェックできる
CRUISE GALLERY
甘くフルーティーなカクテル。アルコール度は星印の数でチェックできる

 

ショーからそのままディナーへ向かう。ディナータイムのオーシャンダイニング「春日」は、スイートとデラックスルームの乗客優先となり、所定の時間内であればいつ入ってもいいので、時計を見ることからも解放される。

 

フルコースディナーのクオリティーにも期待が高まるが、ワインの充実ぶりも見逃せない。「春日」は、名ソムリエ田崎真也氏のワインセレクションを常備している。名だたるワイン産地の優れた銘柄が並ぶが、あえてハウスワインのボルドールージュをボトルで注文した。渋みが控えめでなめらかな口当たりだから、どの料理にもうまく寄り添う味だ。

 

コースが始まり、懐石料理のような色合いと盛り付けの皿が順々に運ばれてきた。セコンドのバターナッツエスプーマは逸品。コーヒーの香りとフォアグラのコクのある甘みが口に広がるなか、ナスタチウムの葉が目にも舌にも清涼感を与えてくれる。鹿児島県産黒毛和牛グリエ赤ワインソースは、やわらかで濃厚な味わい。同じ黒毛和牛でも「春日」でのみ提供されるローストビーフはワサビでうま味を引き立てている。コースを通して五味と五色を存分に味わうことができた。

 

「春日」の大下田真吾マネージャーはこう語る。「コースから数品だけ選び召し上がっていただいてもいいですよ。お好みや体調に合わせ、できる限り調整します」。次回はその言葉に甘えよう。

 

「春日」はいわゆる最高級レストランだが、毎日のダイニングの役目もあるから、サービスが柔軟だ。本来なら食事に合わせて飲み物を変えるほうが好ましいし、飲み切れなかったワインボトルを持ち帰るのははばかられるが、そうしたマナーを厳密に問われることはない。毎回同じクルーがテーブルに付くという丁寧な接客を受けながら、気軽に極上のディナーを堪能できた。

 

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海に向かって全面窓のオーシャンダイニング「春日」は開放感抜群
「美味なる船」を体現する色彩豊かなディナーコース
「春日」のクルーは「乗客の希望に応えたい」と日々まい進する

 

客室に戻ると、持ち帰ったワインを飲めるようグラスがセットされていた。すべてのものが元の位置に収まり、補充されていることに感心する。

 

さて、ついに花毛布を崩してベッドで横になる時が来たか。明日は早起きして朝日を浴びながら広々としたブローバスで体を伸ばそう。そんなことを考えながら、いつのまにか眠りについていた。

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