新しいクルーズ時代が到来
飛鳥Ⅲ就航!

これにより、飛鳥クルーズは史上初の2隻での運航となる。
5万トンサイズの船には6つのダイニングがあるほか、
「飛鳥Ⅱ」でも好評な露天風呂を設け、さらに客室は全室バルコニー付き。
真のラグジュアリー、それも日本人にフィットする心地よさとは……
飛鳥Ⅲは海を愛するわれわれに、そんな問いかけをしてくる。
船尾のシャープなフォルムが飛鳥Ⅱと見分けるポイントのひとつ
ドイツのマイヤー造船所で生まれた
和の心でもてなす新時代客船
何しろ、「初めて」尽くしだ。新造客船「飛鳥Ⅲ」が2025年7月にデビューすることで、飛鳥クルーズは運航34年目で初めて、「飛鳥Ⅱ」との2隻で運航する。飛鳥Ⅲはドイツのマイヤー造船所で建造した初の日本籍の客船であり、日本籍船初めて、LNG燃料など3種の燃料に対応したエンジンを搭載するエコシップでもある。
「飛鳥Ⅲによって、新しいクルーズ文化を創りたかったのです。それは何かというと、お客様の思いのままに、お客様の好みの過ごし方をできる船であるということ。ラグジュアリーな空間であり、心からリラックスできる場でもある。飛鳥Ⅲはそんな新造客船です」
飛鳥Ⅲの建造中、マイヤー造船所で遠藤弘之代表取締役社長(※取材当時)は、そう力強く語っていた。




就航に至るまで、内部では紆余曲折があったのは想像に難くない。ただ対外的には建造契約締結のときから、飛鳥Ⅲのコンセプトは非常にハッキリしていた。
飛鳥Ⅱと同程度の5万トン型客船ながら、客室数や乗客定員を減らし、よりゆったりとしたラグジュアリー船を目指すこと。全室バルコニー付きで、快適性の高い客室が備わっていること。和のおもてなしを基本にしながら、よりモダンでパーソナライズされたサービスを提供すること。


建造中も新たなニュースが届いた。そのひとつが客室「アスカバルコニー」が国際的なクルーズ船のインテリアコンテストで表彰されたこと。また船内に飾られる一流のアート作品の詳細や公募展で選ばれた作品の数々も公開された。
建造中も、そして就航後も、飛鳥Ⅲはぶれることがないだろう。その根底にあるのは、日本の伝統を受け継ぎ、日本の乗客が心地よく過ごせる船であること。
日本の新たなクルーズの1ページが、今から始まる。


「クルーズには何を着ていけばいいのでしょうか」
いまだにクルーズに関して、多く寄せられる質問だ。けれども、飛鳥・の場合、その質問は不要だ。この船のドレスコードは「エレガントカジュアル」。エレガントなスタイルであれば、特にルールはない。むしろ自分らしいおしゃれを気兼ねなく楽しめる。
お気に入りの服をまとったら、さて今晩はどのレストランに行こうか、迷うのも飛鳥・の楽しみのひとつ。船内には初代・飛鳥から名が続くオールデイダイニング「フォーシーズン・ダイニングルーム」のほか、フランス料理、イタリア料理、割烹料理など、好みで選べる6つのレストランがあり、それぞれ違った雰囲気の空間で、厳選された食材を使った上質な一皿一皿が提供される。
ただし長いクルーズになると、時にはホッとしたい日もあるもの。そんなとき、丁寧な和食がいただけるのも、飛鳥Ⅲだからこそ。出汁のきいた味噌汁にふっくらと炊かれた白米を味わえば、飛鳥クルーズで受け継がれてきた和のおもてなしが舌で感じられるだろう。
(※掲載の施設写真はイメージ)
フォーシーズン・ダイニングルーム
初代・飛鳥から名を受け継ぐダイニングルームで、朝・昼・晩の料理が提供される。和食はもちろんのこと、日本で生まれた西洋料理がコースやアラカルトで楽しめる。




ノブレス
伝統とモダンを融合させたフランス料理がいただけるシグネチャーレストラン。コースでもアラカルトでもオーダーできる。食材のハーモニーが楽しめる「貴族のパテ」はぜひ食べたい味。平松礼二氏の作品が美食空間に華を添える。




アルマーレ
イタリア料理レストラン(有料)。本日の厳選食材がワゴンに乗って運ばれ、おすすめの調理法からチョイスできるのが新鮮だ。同じ食材も調理法を変えて二度三度と楽しめる。千住博氏の作品が目をひく。



海彦
初代・飛鳥から伝統を受け継ぐ海彦(有料)。飛鳥・では有料の割烹料理店として、四季折々の食材を採り入れた品々を自分の好みに合わせてオーダーできる。欅の一枚板を使ったカウンターも見事。



グリルレストラン パペンブルグ
造船所の街の名を冠したグリルレストラン。厳選された肉や魚介を焼き上げ、さまざまなスパイスで食べ比べができるスタイル。テラス席では、オープンデッキで炭火焼きされる様子が楽しめる。



エムスガーデン
大海原を望める、眺望抜群のビュッフェレストラン。和食のほか、世界各国の料理が並び、日によってはテーマが設けられることも。夕食時には指定のビール、ワインなどがインクルーシブで提供されるのもうれしい。

