●自然が作り出す豊かな景色と営みに触れる東北地方の太平洋側、青森県から岩手県、宮城県へと伸びる三陸海岸。断崖絶壁や入江が織りなす特徴的な海岸線の美しさで知られる。今年3月、東日本大震災により寸断されて">

「にっぽん丸」
北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト

「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2019.08.27
三陸海岸北部に位置する久慈から、一路横浜へ。個性の光る久慈の観光スポットを訪ね、
滞在時間が25時間と船内をじっくり楽しめるワンナイトクルーズを体験。
イラストレーターが描く景色や船内風景とともに、その様子を紹介する。

イラスト・文=PUNIP cruises

●自然が作り出す豊かな景色と営みに触れる

 

東北地方の太平洋側、青森県から岩手県、宮城県へと伸びる三陸海岸。断崖絶壁や入江が織りなす特徴的な海岸線の美しさで知られる。今年3月、東日本大震災により寸断されていた鉄道が、三陸鉄道リアス線として8年ぶりに復活したことも記憶に新しい。

 

今回、その三陸海岸の北に位置する久慈から、横浜まで25時間という長い時間をかけて航海するにっぽん丸のワンナイトクルーズに乗船する機会を得た。梅雨空の下、いそいそと上野から東北新幹線に飛び乗った。

 

久慈といえば、少し前に一世を風靡したNHKの朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台としても知られる。本来なら久慈までは、新幹線で八戸へ行き、そこから在来線で南下するのが早いのだが、やはり新生リアス線に乗ってみたい、『あまちゃん』にも登場したローカル線の列車に乗ったほうが気分が盛り上がるのでは……。というわけで選んだのは、まず盛岡へ行き、宮古経由で三陸鉄道リアス線に乗り久慈まで北上するというコース。

 

リアス線は実にサービス精神にあふれていて、絶景スポットでは、駅でないところでも一旦停止してくれて、車窓からじっくりと美しい三陸の景色を楽しむことができた。そんなのんびりとした道中をゆき、久慈に到着したのは午後3時。東京郊外の自宅を出て8時間経ったころだった。

 

翌日の出港が朝早いため、久慈に1泊するのだが、せっかくなので日が暮れるまで三陸海岸をドライブすることにした。海岸線に沿って車を走らせると、列車の窓から見た景色とはまた違い、奇岩や浜辺、そして橋げたを支える半円形のアーチが美しい鉄道橋などが次々と現れて飽きることがない。途中立ち寄った、かのドラマのロケ地にもなったのどかな小袖魚港には、「北限の海女」の地として知られているだけあり、いくつもの石碑が立っていたのが印象的だった。

 

「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
三陸鉄道リアス線で景色を楽しみながら出港地の久慈まで向かっ
CRUISE GALLERY
「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
三陸鉄道リアス線で景色を楽しみながら出港地の久慈まで向かっ

 

観光を終え、駅近くの昭和へタイムスリップしたかのようなレトロな宿に泊まり、翌朝を迎えた。

 

朝7時、1時間後に入港するにっぽん丸を出迎えようと久慈港でスタンバイ。今回のクルーズはワンナイトとはいえ25時間のゆったり旅なので、朝のうちに出航だ。やがてにっぽん丸は、しずしずと港内に美しい姿を見せてくれた。

 

早朝にもかかわらず、岸壁には三陸のゆるキャラや海女さんコスチュームの女性、そしてお見送りの市民の方々が大勢集まってくれていた。送迎ムードで大盛り上がりの中、タラップから私も船内に吸い込まれていった。

 

客室に荷物を置き、すぐにプロムナードデッキに出ると岸壁では出航セレモニーが行われていて、川野恵一郎ゼネラルマネージャーから久慈市長へと趣を新たにした入港記念盾が授与されていた(実は、この新しい盾には私が描いた絵が掲げられている……! なんだか、うれし恥ずかしの気分であった)。

 

ブラスバンドによる『あまちゃん』のテーマソングの演奏が始まった。かつて聞き慣れた軽快なメロディーが流れ、色とりどりの紙テープが舞う中、汽笛を鳴らして離岸するにっぽん丸。岸壁には、大きく手を振る久慈市の方々。毎度のことながら、出港シーンは本当にいいものである。

 

CRUISE GALLERY
「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
久慈での出港風景、色とりどりのテープが舞う
「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
海女さんコスチュームの女性たちも見送ってくれた

●終日航海日のようなくつろぎ

 

離岸直前に降り出した雨も港外に出る頃には本格的になり、早々に船内に戻って、お気に入りのリドテラスでやはりお気に入りのショコリキサーをいただく。これを飲まなくてはにっぽん丸に乗った気がしない。

 

ほっとひと休みしつつ、雨のそぼ降る海を眺めているとやがて昼食の時間に。「春日」でポークグリーンカレーをいただくが、これがまた美味。今年日本で開催される「ラグビーワールドカップ応援プレート」と銘打った、海老フライまで添えられた特製ランチだ。通常のワンナイトクルーズは夕方出港、翌朝着岸のため昼食を食べる機会はない。そして午後には、優雅にメインラウンジ「海」で専属バンドの生演奏を聴きながらティータイム。このロングクルーズの終日航海日のようなくつろぎも、ランチを楽しむ時間も、今回のゆったり旅だからこそ。なんとも得した気分だ。

「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
ゴディバのショコリキサーが提供されるリドテラス
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ゴディバのショコリキサーが提供されるリドテラス
「にっぽん丸」 北三陸・久慈の魅力とゆったりワンナイト
丸窓が設えられた船内、ゆったりした時が流れる
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丸窓が設えられた船内、ゆったりした時が流れる
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