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日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」内覧会実施

2023.01.11
フェリー

日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」が13日に大阪ー別府航路に就航する。それに先立ち11日、メディア関係者向けに内覧会が実施された。

 

「さんふらわあくれない」は1万7114総トン、全長199.9メートル、幅28メートル、内装面積は8300平方メートル。旅客定員716人、13メートル、トラック137台、乗用車100台。現行船の約1.5倍の大型化を図り、瀬戸内海を夜間に航行する船舶としては最大船型を誇る。

 

内覧会では運航するフェリーさんふらわあの赤坂光次郎代表取締役社長があいさつ。「われわれ商船三井グループは2050年には脱炭素化するというゴールを掲げている。そのひとつのロードマップに上がったのが、この『さんふらわあ くれない』だ。同船はLNG燃料を使用することでCO2排出量を25パーセント抑えることを可能にした。いまできる最善を尽くした、環境型のフェリーだ。さらにいわゆる2024年問題と言われる、トラックドライバーの労働規制がある。同船はこれに起因するモーダルシフトに対応できるよう、50パーセント以上のスペースアップをはかった物流型フェリーでもある。加えて旅を満足できるような快適な空間を提供している。環境、物流、そして旅客という3つをテーマとして作ったフェリーがこの『さんふらわあ くれない』だ」とそのコンセプトを述べた。

 

続いて同社のマーケティンググループリーダーの尾石実氏がこの新造船の特徴を説明。①国内初のLNG燃料フェリー ②快適性の向上 ③エンターテインメント性の追求 ④多彩な客室 ⑤利便性の向上を特徴にあげた。

 

①の国内初のLNG燃料フェリーに関しては、硫黄酸化物(SOx)の排出量はほぼゼロに、NOx(窒素酸化物)は従来比約80パーセント削減、二酸化炭素排出量は従来比約25パーセント削減を実現している。同船は2020年7月、国土交通省認証の「内航船省エネルギー格付け制度」において、優れた環境性能が評価され、最高評価の星⑤つを取得したことも語られた。

 

②の快適性の向上については、最先端の技術や設計により、静寂性が上がったことを紹介した。さらに現行船に比べてパブリックスペースが3.6倍に増加するなど、ゆったりとした空間を実現したことをアピール。③のエンターテインメント性の追求に関しては、吹き抜けのアトリウムでプロジェクションマッピングを実施するなどする。さらに船内インテリアに別府の伝統工芸である竹細工をイメージしたアート作品などを配していることを説明した。

 

④の多彩な客室に関しては、長距離フェリーで初めて、和室・洋室が組み合ったコネクティングルームを設置。「3世代やグループでの旅行をお楽しみいただける」とした。最上級のスイート客室やウィズペットルームも確保、多様なニーズに応える20種類もの客室を用意している。

 

⑤の利便性の向上に関しては、QRコードによるスマートチェックインを実現した。WEB上で予約すればQRコードが送られてきて、それがそのままチェックイン時に使えるほか、客室の鍵にもなる仕組みだ。船内ネットサービスはさらに進化し、レストランや大浴場の混雑状況が確認できるようになった。

 

同船は13日から大阪―別府航路に就航する。またこの内覧会では姉妹船「さんふらわあ むらさき」の初就航日が2023年4月14日(金)の大阪発を予定していることも明かされた。初便の発売開始日などは今後発表するという。

 

内覧会ではメディア関係者が船内を見学。コネクティングルームを中心とした多彩な客室のほか、トラックドライバー向けの娯楽室なども公開された。女性用トイレ内にカーテンで仕切れるパウダールームが数多くあり、それぞれにドライヤーが設置されている点など、見学者の関心をひいていた。

 

写真左は左から赤坂光次郎社長、熊谷基寛機関長、小林健船長、小林正則副社長、末松宣雄事務長。写真中央は同船の3層吹き抜けのアトリウム、写真右はコネクティングルーム

 

■フェリーさんふらあ 新造船特設ページ

https://www.ferry-sunflower.co.jp/lp/newship/kurenai_murasaki/

 

日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない」内覧会実施
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