“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ

北フランスのル・アーブル港に停泊している「ル・コマンダン・シャルコー」に乗り込んだ。

 

同社の他船同様、洗練されつつも落ち着く内装は継承している。ただ船中央の横3メートル、縦9メートルのLEDに映し出されるアートと音楽、9階までのガラスのエレベーターは同船だけで、迫力がある。

 

公室は5階と9階に配されている。5階はレセプション、シアター、シガー・バー、居心地のよいラウンジ&バー、ショップ、そして船首方向には究極の美食を提供するガストロノミック・レストランがある。

 

9階の中央部分には、同社初の室内プール、ジム、スパがあり、スパにはアイスルームやサウナ、美容室やトリートメントルームがある。

CRUISE GALLERY
“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ
アトリウムの巨大なLEDとその下のモニターには、フランスのデジタルアーティスト、ミゲル・シュバリエ氏による自然をモチーフにしたアートが映し出される。音楽もオリジナル
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9階船首にある「パノラミック・バー&ラウンジ」。ガラスを多用しているのでオーロラなども見やすい
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朝食はビュッフェとアラカルト、昼はコースが供される、眺めのよい9階のレストラン「Sila(シラ)」※イヌイット語で空の意味
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眺望のよい室内プール(ドリンク・カウンター付き)やサウナなど備えたスパは「ビオロジック ルシェルシュ(Biologique Recherche)」というフランス発のラグジュアリーなスキンケアブランドが入っている
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アイスルームも備えられている

船首にあるのは、極地での風景をゆったりと見られるパノラミック・ラウンジ(バーとライブラリーも併設)。景色を楽しみながら食事ができるレストランを抜けると、もう一つの驚きが待つ。3つ目のレストランを併設したオープンエアのラウンジバーが広がり、中央には溶岩石に囲まれたヒーター、船尾には「ブルーラグーン」という名の温水プールがぐるりと取り巻くのだ。極地には十分すぎる施設と空間に圧倒される。

“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ
9階船尾にある「Inneq(イヌック)」はオープン・エア・バー。食事もでき、その周りにはプール「ブルーラグーン」が。水温は36度に保たれ、極地でもプールから風景が見られる
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9階船尾にある「Inneq(イヌック)」はオープン・エア・バー。食事もでき、その周りにはプール「ブルーラグーン」が。水温は36度に保たれ、極地でもプールから風景が見られる

シャルコー氏の意志と神父の祝福を受けて

 

夕方4時半、同船はル・アーブル港を離れた。汽笛が鳴り、フランス海軍の音楽隊がブルターニュ―独特の音楽を奏でる中、断崖が続くエトルタ沿岸をゆっくり航行し始めた。

 

全員が一度シアターに集合し、ポナンのエルベ・ガスティネル代表取締役社長や船長から、同船建造への壮大な道のりや、セレモニー前に終えた北極での試験運航の様子を聞く。そして一人のマダムがステージに立った。船名となったジャン・バティスト・シャルコー氏のひ孫である。曾祖父、シャルコー氏の海や極地探検、極地での科学者としての強い思いを語り、その意志を引き継いだ同船にシャルコー氏の肖像写真を寄贈した。同船ではシャルコー氏に習い、科学者を無料で乗船させ、調査ができる機材や研究室も備えている。

 

夜7時、私たちは再び船首に集まった。カトリック神父が全員の前で船と乗組員、そして今後の極地クルーズの安全を願って、祝祷を行った。

 

シャンパンボトルが舳先に当たって割れ、海兵隊の演奏の中、オフィサーたちが一斉に花火を振る。派手なパフォーマンスはないが、同船らしいセレモニーに胸が熱くなった。

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“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ
祝祷、シャンパンボトル割りの後、オフィサーが花火を振る
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エトルタ沿岸を背景にフランス海軍の音楽隊が演奏を行った
“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ
船首に乗組員とゲストが集まり、カトリック神父による船と乗組員、乗客の安全を祈る祝祷を見届けた
“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ
シャルコー氏のひ孫(左)が同船への期待を語り、肖像写真を寄贈した
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