『マツコの知らない世界』紹介記念:ポナンの南極・北極クルーズ
“その先”の極地へ。究極の砕氷客船、いざ
北フランスのル・アーブル港に停泊している「ル・コマンダン・シャルコー」に乗り込んだ。
同社の他船同様、洗練されつつも落ち着く内装は継承している。ただ船中央の横3メートル、縦9メートルのLEDに映し出されるアートと音楽、9階までのガラスのエレベーターは同船だけで、迫力がある。
公室は5階と9階に配されている。5階はレセプション、シアター、シガー・バー、居心地のよいラウンジ&バー、ショップ、そして船首方向には究極の美食を提供するガストロノミック・レストランがある。
9階の中央部分には、同社初の室内プール、ジム、スパがあり、スパにはアイスルームやサウナ、美容室やトリートメントルームがある。





船首にあるのは、極地での風景をゆったりと見られるパノラミック・ラウンジ(バーとライブラリーも併設)。景色を楽しみながら食事ができるレストランを抜けると、もう一つの驚きが待つ。3つ目のレストランを併設したオープンエアのラウンジバーが広がり、中央には溶岩石に囲まれたヒーター、船尾には「ブルーラグーン」という名の温水プールがぐるりと取り巻くのだ。極地には十分すぎる施設と空間に圧倒される。


シャルコー氏の意志と神父の祝福を受けて
夕方4時半、同船はル・アーブル港を離れた。汽笛が鳴り、フランス海軍の音楽隊がブルターニュ―独特の音楽を奏でる中、断崖が続くエトルタ沿岸をゆっくり航行し始めた。
全員が一度シアターに集合し、ポナンのエルベ・ガスティネル代表取締役社長や船長から、同船建造への壮大な道のりや、セレモニー前に終えた北極での試験運航の様子を聞く。そして一人のマダムがステージに立った。船名となったジャン・バティスト・シャルコー氏のひ孫である。曾祖父、シャルコー氏の海や極地探検、極地での科学者としての強い思いを語り、その意志を引き継いだ同船にシャルコー氏の肖像写真を寄贈した。同船ではシャルコー氏に習い、科学者を無料で乗船させ、調査ができる機材や研究室も備えている。
夜7時、私たちは再び船首に集まった。カトリック神父が全員の前で船と乗組員、そして今後の極地クルーズの安全を願って、祝祷を行った。
シャンパンボトルが舳先に当たって割れ、海兵隊の演奏の中、オフィサーたちが一斉に花火を振る。派手なパフォーマンスはないが、同船らしいセレモニーに胸が熱くなった。



