和の文化薫る『飛鳥座』クルーズで
日本の本物と和食に酔いしれる週末
■温かな雰囲気に包まれたトークショー
2日目は『飛鳥座』クルーズならではのイベントが目白押しだ。
まず向かったのは「石川さゆり×小山薫堂トークショー」。会場となったギャラクシーラウンジは芝居小屋風に設えた、特別仕様になっていた。トークショーでは小山薫堂さんが進行役を務め、事前に募集された質問はがきに石川さゆりさんが答えていくという、ラジオ番組風にトークが展開された。
小学校6年生からの「さゆりさんはどんな小学生でしたか?昔から歌は得意でしたか?」という質問に対しては、石川さゆりさんが小学生のころから歌手になりたくて、歌のレッスンに通っていた話や、幼いころに島倉千代子さんのコンサートに行って、歌のすばらしさにふれたたことなど子供時代のエピソードが飛び出した。
ほかにも、6歳のファンからは「どうして歌が上手なんですか?」や90歳を超えた乗客からは「どうしたら美しい声を維持できますか?」といった質問から、「『ウイスキーが、お好きでしょ』を聞くと、プロポーズされたときを思い出して幸せな気持ちになります」といった楽曲にちなんだ乗客の思い出話まで、石川さゆりファンの幅広い年齢層に驚きながらも、会場は和やかムードで満たされていた。
トークショーの終盤には石川さゆりさんが『津軽海峡・冬景色』の歌詞の朗読を披露。ご自身も初めてとのことだったが、歌声とはまた違う落ち着いた声色での朗読は、会場に集まった乗客にとってはうれしいサプライズだ。この企画を提案されたという作家の柏井壽さんと、そのミッションを遂行してくださった小山薫堂さんに、心の中で感謝を伝えた。
■『飛鳥座』らしさ満載の船内イベントを楽しみ尽くす
トークショーを満喫し、昼食後は染物教室(有料・定員制)に向かった。『飛鳥座』クルーズ限定の特別仕様のハンカチに、5色の染料を自由に選んで染めていく。50周年記念「京友禅きものデザインコンペティション」で「石川さゆり賞」を受賞したデザインをモチーフにした七宝柄、石川さんが歌う姿、飛鳥Ⅱのロゴがあしらわれたハンカチだ。どの柄を何色で染めるか、各人のセンスが問われるわけだが、参加者はみな真剣な表情で思い思いに筆を進めていく。ほんの一部ではあるが、京友禅の技法にふれることができたのは、『飛鳥座』クルーズでの特別な思い出になった。
さらにこの日は6デッキのコンパスルームではNHK紅白歌合戦で着用した着物や石川さん自身がデザインしたグッズやかんざしの展示が行われた。同じく6デッキの「クラブ・スターズ」では芸能生活50年でリリースされたシングル作品のジャケットと石川さゆりさんの私服も。『飛鳥座』クルーズに参加した乗客たちに“何か特別なものを”との想いから企画されたのだという。
午後には11デッキのプールサイドで、輪投げや丁半など和の遊びを楽しむ「飛鳥座遊技場」が行われ、縁日のようなにぎわい。石川さゆりさんとの共通点予想クイズや大すごろく大会も行われ、大いに盛り上がった。