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商船三井クルーズ、2隻で市場拡大へ 新会員7000人、インバウンドは最大3割
商船三井クルーズは9月16日、横浜港・新港ふ頭に停泊中の「MITSUI OCEAN SAKURA(三井オーシャンサクラ)」で事業説明会を開催し、同船の特徴や今後の販売戦略を発表した。三井オーシャンサクラと三井オーシャンフジによる2隻体制を生かし、国内の現役世代やインバウンド市場への働きかけを強める。
冒頭、向井恒道代表取締役社長執行役員は、国が2030年の日本人クルーズ人口100万人を目標に掲げたことや、日本へのクルーズ船の寄港回数が増加していることに言及。「供給側の動きが新たな需要をつくる好循環に入りつつある」との見方を示した。
船隊整備については、将来の新造船導入を見据え、適切な時期を見極めながら計画を進める方針を表明。当面は2024年12月に就航した三井オーシャンフジと、9月19日に就航する三井オーシャンサクラの安全で安定した運航に注力する。
営業戦略部商品企画グループの田中佑典グループ長は、三井オーシャンフジの就航後の販売動向を説明した。デビュー当初は話題性と期待から高い客単価を維持したものの、2025年夏には認知度不足から集客が伸び悩み、割引販売への依存が課題となった。
同社は旅行会社や顧客を対象とした説明会、船内見学会などを全国で展開。SNSでの口コミやリピーターの増加を受け、2026年初頭からは大幅な割引を原則行わない方針に転換した。田中氏によると、同年9月には単価率、消席率ともにデビュー期の水準まで回復。11~12月出発分は「高単価・高消席」の水準で推移しており、三井オーシャンサクラの予約も同程度の状況にあるという。
今後の販売戦略について、営業戦略部販売グループ/カスタマーリレーショングループの野田浩司グループ長が説明した。三井オーシャンサクラは日本籍船として運航するため、1泊からのクルーズを設定でき、長期旅行が難しい現役世代にも利用しやすい商品を拡充する。
同船は全長200メートル未満の船体を生かし、離島や小規模な港への寄港を展開。「飛んでクルーズ北海道・沖縄」など、にっぽん丸で親しまれたテーマ性の高い商品も継承する。
客室は全室が海側のスイート仕様で、約9割にベランダを備える。基本的な食事や200種類以上のドリンク、高速インターネット、一部寄港地を除く半日の寄港地観光ツアーなどを旅行代金に含む。デッキ8のグランドプールには足湯を新設したほか、デッキ5には、にっぽん丸の名称を受け継ぐ寿司バー「潮彩」を設けた。
インバウンドについては、乗客全体の最大30%程度を想定する。日本文化への関心が高く、クルーズ人口の多い市場を主な対象とし、現在は米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、香港に販売総代理店を置いている。
顧客との接点も刷新した。7月3日には従来の「ドルフィンズクラブ」を「三井オーシャンクラブ」へ改称。乗船経験を入会条件とせず、誰でも登録できる制度に改めた。新規会員には初回乗船時にオンボードクレジット10万円分を進呈し、2回目の乗船では旅行代金を10%割り引く特典を設けた。9月15日時点で新規会員は7000人に達した。
予約システムも刷新し、予約から決済、変更、キャンセルまでをウェブ上で完結できるようにした。デッキプランを見ながら客室番号を指定できる機能を加えたほか、旅行会社と在庫情報を共有し、販売管理の効率化を図った。
写真)事業説明会に登壇した商船三井クルーズの向井恒道代表取締役社長執行役員

