■まだ知らない日本を見せてくれる飛鳥Ⅱ
翌日は宮崎県の細島(日向)に寄港。高千穂峡に行く寄港地観光ツアーなども設定されていたが、なかなか行く機会が少ない日向の観光スポットをツアーをセレクトした。
「日向のお伊勢さま」と呼ばれている大御神社では、『君が代』のさざれ石のモデルになった岩を見学。さらに足を延ばして岩場を越えたところにある龍宮(鵜戸神社)では、洞窟の奥に入って振り返って景色を見ると龍が昇って見えるという「昇り龍」スポットがあった。黒い岩の間から光が注ぐ込む様子は確かに龍のようにも見え、洞窟内の雰囲気と相まって神秘的な雰囲気を醸し出していた。飛鳥Ⅱはまだ知らない日本を見せてくれる。
次に海の流れが十字架になって見えることから、「クルスの海」と言われる展望スポットへ。上から見ると海岸と岩礁が「叶」という漢字に見えることから、正式には「願いが叶うクルスの海」という名称だそう。ユニークな海の景観を望みながら、飛鳥Ⅱに乗って今まで知らなかった日本を見ることは、すでに願いのひとつが叶っているなと思った。
海上から見ると馬の背のように見えるということから「馬ヶ背」と名付けられた絶景スポットでは、リアス式海岸らしい変化に富んだ地形を眺めた。柱状節理の荒々しい岩肌は、夏の太陽を受けてドラマチックに輝く。地球はダイナミックだと改めて感じる絶景だ。
日向名物のひょっとこに迎えられながら船に戻る。4日目ともなるともうすっかり「わが家」で、船に戻るとホッとする。
ディナーをいただき、飛鳥Ⅱの専属マジシャンTAKUYA氏とプロダクションキャストがコラボレーションしたイリュージョンショーを堪能する。人が消えたり、入れ替わったり。イリュージョンを採り入れたショーは、優雅な語り口に満ちたTAKUYAさんの単独ショーとはまた違った、華やかで大胆な演出に満ちていた。
そして最後は吉村ちえこさんのラウンジショー。シアターよりぐっと身近な場所で見るステージは、最初のステージよりもリラックスした雰囲気だ。「もう明日でクルーズが終わってしまうのが寂しいですね」という吉村さんの言葉に、皆がうなずく。
皆で井上陽水の「少年時代」を合唱。「夏が過ぎ、風あざみ~♪」と飛鳥Ⅱの乗客同士、声を揃えて歌う。久々に声をあげて歌いながら、ああ飛鳥Ⅱのおかげでまたひとつ、最高の夏の思い出ができたと思ったのだった。
神戸発着 夏の別府・日向クルーズ
日程:2024年7月15日(月・祝)~19日(金)
コース:神戸~別府~細島(日向)~神戸
クルーズ代金:280,000円(Kステート)~136万5000円(Sロイヤルスイート)
船名:飛鳥Ⅱ(郵船クルーズ)
総トン数:5万444トン
乗客定員:872人/乗組員数:約490人